どうも!寝るカズキです^^!✨
ロシアに滞在していると
「ロシア人はどれくらいウォッカを飲むの?」
とよく聞かれることがあります。
ウォッカやコニャック、エタノール密造酒などの
強めのアルコールが多いイメージのロシア。
僕の体感からいうと、アルコールを飲める人も多いけど
飲まない方も多いです。
とくに若い人の間では、ビールやワインが主流で
アルコール度数の高いウォッカやコニャックは不人気。
中にはアルコールを全く飲まない方も珍しくありません。
実際に現地で滞在してみて、
イメージしていた“アル中天国のロシア“とは、
全く異なる現実がありました。
そこで僕はふと疑問に思いました。
「体感ではそう感じるけど、
ロシア全体でみた時に本当にそうなのか?」
この記事では、実際のデータや体験談をもとに、
ロシアのアルコール事情に迫っていきたいと思います。
ロシアのアルコール事情について
少しでも興味を持っている方は、暇つぶしに
読んでいただけると嬉しいです!!^^
目次
🍺ロシア人一人当たりのアルコール消費量
僕が気になって調べてみると、
意外な事実が明らかになりました。
それは「ロシア人は意外とアルコールを飲んでいない」
ということ。
WHOが集計した『世界のアルコール消費量機国別ランキング(2018年)』データのよると、
ロシア人1人あたりの年間アルコール消費量は7.69リットルで51位。
その他の国のアルコール消費量は、以下のようになっています。
-
1位:セーシェル(20.05リットル)
-
2位:チェコ(12.93リットル)
-
3位:ラトビア(12.60リットル)
-
4位:ウガンダ(12.20リットル)
-
5位:リトアニア(11.49リットル)
・
・ -
39位:韓国(8.65リットル)
-
51位:ロシア(7.69リットル)
-
63位:日本(6.82リットル)
出典:GLOBAL NOTE
『世界のアルコール消費量 国別ランキング・推移(WHO)』より抜粋
このように、近年におけるロシア人のアルコール消費量は
決して多いわけではないことがわかります。
旧ソ連圏のEU諸国の方が、アルコールが飲まれていますね。
大多数の方の予想に反して、ロシアのアルコール消費量は、
韓国や日本と同じような水準だとデータから読みとれます。
🍺ソ連時代とロシアにおけるアルコール消費量の推移
上記の表を見てみると、ソ連からロシアへの移行期に
アルコール消費量は急増していることが見てとれます。
ソ連崩壊後の1990年代のロシアでは、社会の混乱に伴い、
アルコール飲料の消費量が急増した背景があります。
数千万人単位での生活環境の著しい悪化し、
明日の未来が見えない状況の中、
多くのロシア人がウォッカやコニャックといった、
アルコール度数の高いお酒をやけ酒するような
光景があちこちで見られたようですね。
しかし、2008年以降は徐々にアルコール消費量は減り続け、
前述したように韓国や日本と同じような
アルコール消費量になっていったようです。
イメージではソ連時代に密造酒を製造して
飲んだくれているイメージがありましたが、
実際には、ソ連崩壊後の方が
アルコール消費量が多かった
という事実には驚きました。
2010年以降、アルコール消費量が
目にみえるように減ったのは、
ソ連崩壊後の動乱期にアルコール中毒患者が激増し、
縁者親類を亡くした当事者たちやそれをみた若い世代が
アルコールを飲まなくなったからかもしれませんね。
次の章では、そんなアルコール中毒患者の数や
死亡者数の推移に関するデータを紹介します!
🍺ロシアにおけるアル中患者・死者数
2022年に公表された最新の統計によれば、
ハンガリーやロシア、ベラルーシなど、
飲んだくれのイメージが強い国では、
アル中患者も多いというイメージ通りの結果でした。
国民の5分の1がアル中と考えると、深刻さがわかりますね。
全体としてのアルコール消費量は減少している一方で、
一部の酒飲みが度を越して飲んでいるといった状況が
データから見えてきます。
ちなみに、日本におけるアルコール飲酒の現状は以下の表の通りです。
同調査では日本の総人口に占める
アル中患者の割合は、5.70%と報告されており、
ロシアがいかにアル中大国かがわかります。
韓国も意外にもアル中大国だったというのは、
個人的にはかなり意外でした笑。
アルコール依存症患者の数が多いロシアですが、
死者数の推移を見てみると、
時代によってかなり差があることがわかります。
具体的には、アル中患者の死亡者数はソ連崩壊後に急増。
とりわけ、男性を中心に亡くなった方が多いようです。
家父長制の考えが根強いロシアでは、大黒柱は父親で、
男性が働いて家族を養うべきだという考えが
未だに強く残っているように感じます。
社会・経済的に崩壊していたロシアにおいて、
家族や恋を養わなければならない中で、
無職の状態を耐え抜かなければならなかった多くの男性は、
ストレスを忘れるためにお酒を浴びるように
飲むしかなかったのかもしれませんね。
🍺当時を生きた彼女の両親の生活とは?
僕の彼女の両親はこの動乱の時代に大学を卒業して、
苦労して職を見つけた経験があるので、
その当時の大変さを色々と教えてくれます。
ろくに壁紙も貼られていないような田舎町で、
一から家の家具を作り、リフォームし、
電気・水道・ガスを通し、家庭菜園を一から耕したと聞いています。
その困難は控えめに言って想像を絶するものがあります。
また、アルコール中毒者やクスリも蔓延していたので、
いつ強盗に入られてもおかしくないような状況で
暮らしていたようです。
日本人の僕からするとにわかには信じがたい状況。
誰にも頼れない時代を生き抜いたからこそ、
ロシア人は自分で車を修理したり、リフォームをしたり、
家庭菜園を持って自給自足しているのでしょう。
文字通り、そうしなければ生き残れなかったから。
ロシアに経済制裁してもまるで効いていないように見えるのは、
そのような困難な時代を生き抜いた記憶と
困難を生き抜いていくための知恵があるからでしょう。
今回の記事を挙げたデータを読み解いていく中で、
ロシア人にとってソ連崩壊がどれだけ大きな
社会的な変化だったのかを感じられました。
- イデオロギーや社会システム、共産主義から資本主義への転換。
どれもがロシア人の価値観を根底から揺るがす変化だったに違いありません。
それらをいっぺんに味わったロシア人の苦労は計り知れませんね。
2022年の現在では、そんな彼女の両親もたまにはアルコールを飲みます。
自家製のワインやビールは最高です^^
ただし、ウォッカやコニャックなどの
アルコール度数が高いお酒を飲む光景は、
忘年会・新年会くらいでしか見られませんね。
個人的には残念です笑。
🍺まとめに添えて:ロシア人とのアルコールの付き合い方
この記事では、ロシアにおけるアルコール消費量や
アルコール中毒患者の数や死者数、
ソ連崩壊前後の混乱期を行きた両親の体験談を紹介しました。
僕の周りのロシア人の知人・友人を見てみても、
深酒するロシア人は少なく、
飲むとしてもビールやワインを嗜む程度に飲む方が多いです。
友人や家族の誕生日会や週末に集まって
バーで飲むことはありますが、
日本人と同じか、それよりも少ない量の
アルコールしか飲まない印象ですね。
実際、彼女は僕よりもアルコールを飲む量は少ないです笑。
ロシア人と交流する機会がある方は、
ウォッカを飲むという印象は捨てて
「日本人と同じ程度にしか飲まない」
と覚えておくといいでしょう。
ただし、飲もうと思えば飲めるのがロシア人。
新年会で飲み比べしたら後悔したことを覚えています笑。
いやー。ロシア人にはどうやっても飲み比べでは勝てん!!
つづく
僕の海外体験やノウハウをまとめた本はこちらから。暇つぶしにどうぞ^^!
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